「君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな」 藤原義孝・作
”君のためなら惜しくない命だと思っていたが、今は一分一秒でも長く君と共に生きていたい”
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「かささぎの渡せる橋に置く霜の 白きを見れば世も更けにける」 中納言家持・作
”霜が降りた橋が白い。かささぎが渡した暗い夜空が暗い。夜が更けてきた” 大意
「寂しさに宿を立ちい出てながむれば いづこも同じ秋の夕暮れ」 良ぜん法師・作
”寂しさに耐えかねて表へ出たが、どこを見渡しても秋の夕暮れ時で寂しそうに見える” 大意
「朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪」 坂上是則・作
”吉野に夜明けに降る雪は月のように白い” 大意
「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞くときぞ秋は悲しき」 猿丸太夫・作
”つがいの相手を探し鳴く鹿の声を聞くと秋の物悲しさを感じる” 大意
「嵐吹く三室の山のもじぢ葉は 龍田の川の錦なりけり」 能因法師・作
”激しい嵐で吹き散らされた紅葉たちは龍田川を錦のように美しく染めている” 大意
「有明のつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし」 壬生忠峯・作
”夜明けにつらい別れがあった。あれから夜明けをすごすのもつらいくなった” 大意
「足曳の山鳥の尾のしだり尾の 長々し夜をひとりかも寝む」 柿本人麻呂・作
”山鳥の尾の長さにも似た、長い長い夜をひとりで眠る” 大意